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2018.07.21 [スタッフブログ]

「寛容な気持ち、そして受け入れる心」

今日はスペイン巡礼の旅(世界遺産を歩く旅)へ行ってきた
社員の旅の話を載せたいと思います。

ブログで紹介したいと伝えると
文章を作成してきてくれたので
そのまま掲載したいと思います。

以下、全文です。

キリスト教ではローマ、エルサレム、
サンティアゴ・デ・コンポスティラが
三大聖地と言われています。
今回はその一つであるスペインの西の果てにある
サンティアゴへ行ってきました。
サンティアゴはイエスキリストの第一番目の弟子である
聖ヤコブのお墓が有る所で
ヤコブはスペインに赴き布教活動を行い
最後はエルサレムで迫害され斬首されたという事で
年間20~30万人の人がこの地を目指して訪れる
1000年の歴史を持つ巡礼道の最終地です。

フランスから国境をそしてピレネー山脈を越え
約800キロの道乗りを一日平均25キロ程、
村から町へと歩き続け
目的地に着くと、アルベルゲと呼ばれる
巡礼の宿に泊まるという毎日の繰り返しでした。

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アルベルゲは1泊1,000円前後の宿で
2段パイプベッドで男も女も一まとめの
およそプライバシーの無い
寝る時は耳栓とアイマスクが手放せない所でした。
朝は5時起床、6時出発10キロ程の重いザックを背負い
午後2時過ぎに次のアルベルゲに到着すると
まずベッドの確保、次に洗濯
そして町の散策や買物などをして
あとは食べて ワインとビールを飲んで寝るという毎日でした。

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キリスト教徒でもないのに、どうしてそんな所へ行ったのか?
最初に義弟(妹の夫)がこの話を持ってきました。
素晴らしい所らしいから行ってみませんかと誘いを受けました。(出発の約2年前)
色んな本やガイドブックには

「毎日無心で歩き、そして食べて寝てまた歩く、
その繰り返しが魂を癒し、人生を蘇らせてくれる」

などと格好よく書いてありました。
私も今年で満70歳を迎え、
ここらで人生の節目という事で挑戦してみよう、
そして巡礼の旅が終わりそこからまた新しい人生の出発が
出来ればいいなあと思うようになり行くことにしました。
出発の準備に1年以上かかりました。
はたして800キロも歩けるのか出発間際まで心配になりましたが
終わってみればあっという間の40日間でした。

今回の旅では、まず色んな国の人たちと
たとえ言葉の壁があったにしろ仲良くなることが出来ました。
終着地点のサンティアゴ大聖堂の前で
涙を流しながら皆で喜びを分かち合うことが出来ました。

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また巡礼道には、行先を示す黄色い矢印が石畳の上
木の幹、家の壁などに全ルートにわたり描かれ
次の町村までの距離を示す道標なども道路脇に設置されていて
スペインの人たちが本当に巡礼者達を寛容な気持ちで受け入れ
そして無料奉仕によって支えてくれている事にも感動しました。
長い旅のなかで、いろんな出来事がありましたが
巡礼の巡とは巡り合わせという事
自分の力ではどうにもならない事もたくさんありました。
しかしそれを受け入れる(許す)寛容な気持ちが
大切な事だと思いました。

最後に、支えて頂いた廻りの皆さんや家族のお陰で
無事旅を終えることができ感謝します。